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太陽熱発電とは?太陽熱発電を家庭で導入するメリットやデメリットを解説

2024年10月01日

太陽熱発電とは一体どんな発電方法なの? 太陽光発電との違いは? 今回の記事では太陽光を熱源として発電を行う太陽熱発電について詳しく解説。

一般家庭では太陽熱を使った発電ではなく、同じ原理でお湯を提供できる太陽熱利用システムとして導入されることが多いため、その仕組みやメリット・デメリットを紹介します。

太陽熱発電とは?太陽熱発電を家庭で導入するメリットやデメリットを解説

太陽熱発電とは?発電の仕組みを解説

太陽熱発電とは、太陽光を熱源として発電を行う発電システムです。

太陽エネルギーを使った発電方法としては、屋根に取り付けるソーラーパネルなどで一般家庭にも普及しつつある太陽光発電が有名ですが、海外では太陽熱発電の開発も進んでいます。

太陽熱発電の基本的原理

太陽熱発電では、まず反射鏡やレンズで太陽光を集め、熱エネルギーに変換します。

変換された熱エネルギーを利用して水を沸かし、発生した蒸気によってタービンを回転させることで発電します。

熱エネルギーで水を沸かして蒸気を発生させ、その動力でタービンを回して発電するという点では、火力発電や原子力発電と発電の原理は同じです。

太陽光発電との違い

太陽熱発電が太陽光を熱エネルギーに変換して水蒸気を発生させ、タービンを回す原動力とする発電方法なのと比較し、太陽光発

電は、太陽の光エネルギーを直接電気に変換する発電方式です。

太陽熱発電も太陽光発電も、どちらも屋根の上などにパネルを設置しますが、太陽光発電のパネルは太陽電池が集まったソーラーパネル、太陽熱発電で使われるパネルは集熱パネルです。

太陽熱発電は効率の高い発電方法

太陽熱発電は、太陽光発電に比べると効率的な発電ができるのも特徴です。

元のエネルギーを「どのくらい電気に変換できたか」を示すエネルギー変換効率(%)は、太陽光発電が7~18%なのに対し、太陽熱発電は40%になります。

太陽熱発電は太陽光発電に比べると、太陽エネルギーを2倍以上効率的に電気に変換できるのです。

ちなみに、風力発電のエネルギー交換率は30~40%、水力発電は約80%、地熱発電は約20%とされており、太陽熱発電は風力発電に匹敵する交換効率の高さです。

家庭用では電気ではなくお湯の供給に活用できる

太陽熱発電から電気を発生させるためには、集熱パネルに加えて蓄熱タンク、凝縮器、タービン、発電機など多くの設備が必要となるため、ソーラーパネルのみが必要な太陽光発電と比べると、一般家庭には普及しにくい発電方法です。

太陽熱発電の家庭での利用方法として、太陽光の熱を利用してお湯を沸かす太陽熱温水器があります。

これは太陽熱発電の太陽光を熱エネルギーに変換させる部分だけを応用したもので、集熱パネルにあたった太陽光を熱エネルギーに変換し、タンクに貯めた水を温めてお湯へと変えるシステムです。

自宅に太陽熱利用システムを導入するメリット

太陽熱を利用した温水供給システムを自宅に設置するとどのようなメリットがあるのでしょうか?以下では、太陽利用システムの強みを紹介します。

導入コストを抑えられる

家庭用の太陽光発電を導入するには、150〜180万円のコストがかかると言われています。

一方、太陽熱利用システムはソーラーパネルよりも仕組みが簡単なため、 約30〜90万円で導入が可能です。

ガス代や電気代の節約になる

太陽熱利用システムで作られたお湯は、お風呂や家事に使ったり、床暖房に使ったりと有効活用できます。

通常、お湯を沸かすのにはガス、床暖房は電気を消費しますが、太陽熱利用システムを導入すれば、ガスや電力を使わずに暖房や給湯を使えます。

一般的な家庭でのエネルギー消費では、暖房が約25%、給湯が約28%を占めています。

太陽熱利用システムの導入で、暖房や給湯で消費するエネルギーを削減できれば、ガス代や電気代の節約に繋がります。

助成金が使えるケースも

太陽熱を利用した給湯システムの導入を促進するために、太陽熱利用システムに対する補助金を出している地方自治体も少なくありません。

補助の条件や金額などは自治体によって異なります。

太陽熱利用システムの導入を検討している方は、お住まいの地域の補助金制度について調べてみてください。

太陽熱利用システムのデメリットと対策方法

家庭用に導入するとさまざまなメリットのある太陽熱利用システムですが、設置前に考慮したいデメリットもいくつかあります。

太陽熱利用システムを設置して後悔しないように、システムのデメリットを知り、その対策方法を考えておきましょう。

定期点検が必要

太陽熱利用システムは比較的シンプルなシステムですが、それでも専門業者に定期的に保守点検を依頼する必要はあります。

集熱パネル、配管、貯湯タンクなどは全て屋外にあるため、常に風雨にさらされており、継続的に利用すれば錆びや汚れも付着します。

安全性や衛生面といった点で問題が生じてしまわないよう、定期的に点検することが重要です。

電力供給はできない

太陽熱利用システムは給湯機能のみで、発電機能は搭載されていません。

災害時用の非常用電源を確保したい方、電気代を節約したい方、売電収入を得たい方にとっては、太陽光発電の方が適しているでしょう。

太陽光発電のオルタナティブとして検討の価値あり

太陽熱発電は、ソーラーパネルでおなじみの太陽光発電と同じく太陽エネルギーを利用した発電方法です。

家庭用では太陽熱を使って電気を作るのではなく、太陽熱で貯水槽の水を温める温水機能のみの太陽熱利用システムとして導入するのが一般的です。

電力供給はできないものの、一般家庭のエネルギー消費の多くを占める暖房や給湯をまかなえるため、電気やガス代を節約することが可能です。

太陽光発電よりも導入コストが安いというメリットもあるため、自宅での発電にこだわらない方は、検討してみてはいかがでしょうか?